特定非営利活動法人 女性と子の未来

【アンケート調査】花巻市内事業所の人材確保・定着に向けて

仕事と子育ての両立に向けた“民間企業の取り組み”(2019年度 事業)

                                                                           子育てと介護の両立する働き方で、市内事業所の働き手確保

 少子高齢化の急速な進展で、労働力人口が想定以上に減少してきている中、人材確保は事業所にとって死活課題です。一方、働く人にとっては、結婚・子育て・老親の介護等、それぞれのライフステージで、最近は男性も含めて担っている状況が生まれています。核家族化というライフステージの中、働き続けられる環境が整えられている職場は、魅力的な職場です。一方、労働力人口の想定以上の減少(2013年8千万人、2027年7千万人、2051年5千万人)は、従業員の確保に困難を来たし、厳しい経営となっていると、経営者からお伺いすることも多々御座いました。
 結婚・子育て・老親の介護等、それぞれのライフステージでクリアできる=働き続けられる環境が整えられている職場を創っていくことは、事業所にとっても、今日の経営者の課題と実感いたしたところです。

 「女性と子の未来「」では、子育てと介護とが両立し得る休暇制度を求めていくことと、また、地元の事業所の働く人の定着は、人口流出の歯止めにもなると期待し、調査を実施いたしました。ご回答に労をお取りいただきました事業所の皆様方に、あらためて、心から謝意を表させていただきます。有難う御座いました。

 なお、事業所は一定の収益確保を目的とする事業所で有りつつ、他方、地域の発展に寄与する有力な存在であり、故に、事業所は私益と公益の両側面を持つとの認識に居たりました。結果、子育てと介護の両側面への事業者の負担に、国や自治体は、一層の支援が必要と考えます。また、事業所様からもそうしたお声は聞かれたところでした。市民の”かまど”から煙が立つように、中小・零細企業には、働き方改革への一層の支援を願うところです。

 事業所の皆様方、アンケートへのご協力有難うございました!

PDF 2019年度 事業所アンケート報告書

 

 

★参考資料:<花巻市の事業者への支援策> 

◎花巻市企業競争力強化支援事業補助金(補助率1/2)・・担当窓口. 24-2111工業労政係 内線405
   共同研究開発 25万円、展示会出展 15万円、人材確保15万円.25万円、人材育成15万円、

   産業財産権等取得 20万円、ブランド化推進50万円.25万円、カイゼン50万円

◎花巻市農商工連携事業補助金 加工品開発200万円他・・担当窓口. 6次産業推進室・内線436

◎花巻市成長分野参入促進事業 製品・技術開発 300万円他・・担当窓口.工業労政係内線405 

◎花巻市中小企業振興融資制度(限度額)・・担当窓口.商業係 内線389
 運転資金・設備資金 各3,750万円、開業資金1,600万円、経営安定資金2,500万円 他

【別紙】2019年度 両立支援等助成金のご案内 厚生労働省・都道府県労働局発行)(PDF)

           クリックして下さい。県と国の助成について記載があります。                                                

 

1. 本調査における問題意識

日本では、深刻な高齢化と少子化で、人口規模は物凄い勢いで縮小しています。子育てや親の介護との両立できる働き方の仕組みも、もう少し、容易となって行かないと産業も成り立たず、結果、加速度的な人口減に歯止めもかかりません。

従業員の職場離脱を防止し、各事業所が安定的に事業を継続していくためには、各事業所の取り組みに対するより一層の、国による支援の強化が必要だと考えられます。本調査は、職場におけるワーク・ライフ・バランス実現のために、各事業所がいかに国の支援を必要としているかを明らかにするためにも、まずは現状でどのような取り組みを行っているのか、地方の中小事業所の実態を明らかにすることを目的としたものです。

今回、アンケートにおける事業所からの回答からは、人材確保は死活課題であることが強く感じられました。働く人にとっても、子を産み育てるためには、収入の安定が無くてはならず、したがって育児と両立して働き続けられる環境が強く求められていることを、調査結果から感じているところです。
結婚・子育て・老親の介護等、さまざまなライフステージの課題をクリアできる=働き続けられる環境が整えられている職場は魅力的な職場です。労働力人口は官公庁の想定以上に急激に減少しています。各事業所の経営者にとっては、これまで課題として指摘されてきた後継者問題と同様かそれ以上に、従業者の確保が、焦眉の課題となっていくでしょう。
本調査の結果からも、そのことを強く実感させられたところです。

2. 調査の方法と謝辞

調査結果の詳細は 4 頁に記載した通りですが、NPO 法人女性と子の未来では、子育てと介護とが両立し得る休暇制度の拡充・普及・定着を求め、また、働く人の定着を呼び、人口流出の歯止めにもなる地元の事業所の発展を願う観点から、調査に際して岩手県労働局様から 500 部余り頂戴した事業所向けの各種両立支援制度のご案内パンフレットを調査票と共に同封し送付しました。更には、花巻市の商工課様からは、事業所向けの各種融資制度の情報提供を頂きました。
同市商工会議所様からも、インターネットを介した調査についてのご助言を、また、社会保険労務士 神田永子様からは、アンケートの書式のご助言を戴き進めて参りました。岩手大学教授 海妻 径子氏・同じく岡崎 正道氏にはアンケート結果から見た分析並びに、そこから指摘できるコメントを戴きました。関係各所にこの場を借りて御礼申し上げます。本調査は過去に遡っての休暇等の取得実績のご回答を戴くという調査であり、回答事業所のご負担も大きかったと存じます。ご回答に労をお取りいただきました事業所の皆様方に、あらためて謝意を表させていただきます。有難う御座いました。

なお、本報告に当たり、事業所名公開に記載いただいた事業所様には社名を、非公開とされた事業所様はアルファベット記載、無記名だった事業所様は「社名の記載なし」と表記しております。
本調査が、子育てと介護の両立する事業所が、今後増え、花巻に働く世代の一層の定着に繋がる一助になればと願ってやみません。

 

Ⅰ.調査の方法と対象の属性

岩手会社年鑑(岩手産業統計所発刊)登録事業所のうち、花巻市内の 568 社に対し、2019 年 7 月1日~11 月 30日の期間、自記式郵送調査法で調査を行った(調査票は本報告書巻末に掲載)。回収票数及び有効回答数は共に、93 事業所であった(回収率・有効回答率 16.20%)。
回答事業所の属性は、社名記載のあったもののうち、製造業が 18 社(19%)、建設業が 14 社(15%)、卸売・小売業 12 社(13%)、サービス業 11 社(12%)、医療・福祉 4 社(4%)、その他(運輸通信、法人団体、石油、不動産、農林)が 7 社(8%)で業種不明 4 社(4%)、無記名 23 社(25%)であった。なお、無記名事業所は自由意見欄に多くの意見が寄せられている傾向にあった。
支援制度利用の具体的実態・支援制度拡充のために必要な企業助成に対する考え・国や県に対する要望については、さらに 9 月 2 日~30 日の間に、半構造化面接方式での聞き取り調査を行った。聴き取り調査に回答した事業所は 14 社(うち学校法人が 1 校)で、その内容は以下に記載して有る。

 

Ⅱ.勤務軽減制度

1. 子育て

グラフ1
過去 5 年間で 、 子育ての ため の休暇制度等を利用した実績が 有る 事業所の割合

グラフ1 過去 5 年間で 、 子育ての ため の休暇制度等を利用した実績が 有る 事業所の割合

「過去 5 年間に子育てのための休暇制度等を利用した実績がある」と回答した事業所は、36 社(39%)であった(グラフ 1)。それらの事業所に対して具体的にどのような制度が利用
されているかを問うた回答結果がグラフ 2 である。
子育てのための休暇制度の取得日数について、併せて質問しているが、産前産後の取得日数において 120 日をはるかに超えた長期の日数の回答が有った(表 1)ことと、育児休業制度の実績が無いとの回答事業所が 19%有り、両制度の就業規則上の区別があいまいな状況を窺い知ることが出来た。断定はできないが、事業所によっては育児休業法の施行以前から、産前産後休業の取得日数を 1 年近くまで延長することで、経験を積んだ女性従業者の離職を防ぎ、中小企業にとっての貴重な人材確保を図ってきていた可能性があると想定される。仮に、このような長期産前産後休業が実施されていた場合、給与支払いの扱いはどうなっているのか等、今後調査していく必要が有るだろう。育児休業制度の利用実績も 29 社(81%)と多いことから、出産年齢に達するような若年女性を採用している事業所では、中小事業所で有っても、産前産後休業からそのまま育児休業を取得する従業者が、殆どであるかも知れない。
一方で、配偶者出産休暇制度の利用実績は 7 社(19%)に留まるが、同制度が平成 29 年改正育児・介護休業法により事業所の努力義務になってからまだ日が浅いこと、また『平成 29 年版少子化社会対策白書』によれば、配偶者の出産直後の男性の休暇取得の内、配偶者出産休暇制度を利用するのは 4 割余に留まっており、通常の年次休暇を利用する男性が少なくない(いわゆる「隠れ育休」)こと(2 章第 4 節 2)。地方中小事業所においては従業者が高齢化しており、配偶者が出産する男性従業者が居ない事業所も少なく無いと考えられること等を勘案すると、この実績の高低を簡単には論じることができない。地方中小事業所における配偶者出産休暇制度取得についての調査が、本調査以外にも積み重ねられた後に、それらの調査結果との比較検討を行うことが必要である。
いずれにせよ、育児において母親を孤独にさせないためにも、父親が育児に対して当事者意識を持つ機会としても、配偶者出産休暇制度の普及と利用実績の向上が急務であることは確かである。

 

グラフ2
子育ての為の休暇制度等として具体的にどのような制度が利用されたか

グラフ2 子育ての為の休暇制度等として具体的にどのような制度が利用されたか

表1 「産前産後休業の利用実績あり」の場合の取得日数

表2 は、育児時間制度について、利用実績のある10 社からの回答と、同制度以外の子育て支援制度の利用状況についてのデータである。労働基準法第67 条には、「生後満1年に達しない生児を育てる女性は、第34 条の休憩時間のほか、1日2回・各々少なくとも30 分、その生児を育てるための時間を請求することができる。使用者は、前項の育児時間中は、その女性を労働させてはならない」と有る が、法定時間を超えた 45 分あるいは 60 分の取得実績が 有る 事業所も見られた 。育児時間は、子の生後 1 年未満に認められるものであるため、育児休業とは取得時 期が重複する制度であるが、表 2 に 有るように 育児時間制度の利用実績が 有る 事業所は 、 ほぼ育児休業制度の利用実績も持っており、また短時間勤務や配偶者出産休暇の利用実績も 見られ易い 。女性が 、 出産後早い時期に育児時間制度を利用しつつ復職 せざるを得ない 事業所においては、長時間 、 職場を離脱する 育児休業 を 取得しづらいのでは、という仮説は 当たらないようである 。むしろ、出産した女性の復職が当然のこととなっている職場においては、育児時間制度で 有れ ・ 育児休業制度で 有れ 、様々な子育て支援制度を取得し 易い 職場環境が形成されていると言え よう。

また、今回おこなった聴き取り調査によって、花巻市内の事業所 十和田精密工業株式会社 ・ 花巻工場 で男性が育児時間を 1 日 2 回、 30 分ずつ取得した例が 有 っ た。
今回の調査では、制度を利用した従業者 の性別については調査していないが、配偶者出産休暇以外の諸制度における男性利用の実績や利用率についても、今後 調査 していく必要が 有る 。また、質問紙 の 自由記述において、花巻郵便局からは 2018 年 10 月から、配偶者出産休暇に代わり配偶者育児休暇 最大 3 日、有給 制度となっているとの記載が 有った 。配偶者の出産直後に 拘わらず 取得でき、かつ通常の育児休業と別制度とすることにより、男性の複数回の育児休業取得を防げない 通常の育児休業では、配偶者の出産後 8 週以内に男性が育児休業を取得した場合のみ、 育児休業分野による複数回取得が可能 、という制度で 有る と考えられるが、あらためて制度の詳細と効果を確認する必要がある。

 

グラフ3

育児休業の取得 実績 日数内訳

グラフ 3 育児休業の取得 実績 日数内訳

子が 3 歳に達するまで育児休業を取得した実績 有りと 質問紙に記載した事業所も 有る 花巻郵便局 が、過半数の事業所において、育児休業の期間は 1 年以内である。 1 年を超すものについ ては 1 年 6 ヵ月以内が多い。今回の調査では取得者の性別は調べていないが、聴き取り調査では女性従業者の大半が育児休業を取得するが、男性の取得実績については無いという事業所が 見られた 志戸平温泉株式会社 、ほか 。男性の育休の取得が 余り 見られないのは、 育児休業も 育児時間 と同様 、パパも取得できることが案外知られていないこと が 予測されることから、 「 パパ・ママ育休プラス 」 を下記の例で 紹介 す る 。両親が子育てに参加・参画できるようになれば、少子化も些か改善されるかもしれ ない。 今日の労働力不足は子の出生数の激減に有るのだ から。
ママ・パパ取得の例を下記に紹介する 。

 

資料
1 育児休暇制度の活用例・・・パパ・ママ育休プラス 厚生労働省

資料1/例1

 

資料 1 育児休暇制度の活用例・・・パパ・ママ育休プラス 厚生労働省

例2

資料 1 育児休暇制度の活用例・・・パパ・ママ育休プラス 厚生労働省

例3 次のパターンも可能です。

資料 1 育児休暇制度の活用例・・・パパ・ママ育休プラス 厚生労働省

 

2. 介護

グラフ4

介護の為の勤務軽減制度を利用した実績が有るか

グラフ 4 介護の為の勤務軽減制度を利用した実績が有るか

グラフ 5
具体的な制度の利用実績

グラフ 5 具体的な制度の利用実績

表3「介護休暇制度」の利用最大日数(単位:日)

「介護休暇制度」の利用最大日数(単位:日)

表4「介護休業制度」の利用最大日数(単位:日)

「介護休業制度」の利用最大日数(単位:日)

介護休業の制度上の取得可能期間は90 日以上を回答している事業所が有ったものの、介護休暇の取得日数は5 日~7 日程度に留まっている。また取得実績も約8 割の事業所が「無し」と回答している。代替要員の確保が困難な中小事業所においては、時間単位あるいは半日での介護休暇利用が多いのではとも予想したが、必ずしもそうではなかった。
例え、数日であっても、「介護にかかわる諸用事を済ませるには、まとまった時間が必要」、と言うことの様である。但し、介護休暇ではなく一般の時短勤務として対応している可能性もある。育児休業同様に、年次休暇を介護休暇目的に用いる例も有ると考えられ、更なる調査が必要である。
訪問調査の結果では、十和田精密工業株式会社 花巻工場において「男性職員でも、介護の為の時短勤務で、残業をしない人がいる」との回答があった。また、総合花巻病院では「一時間単位で介護休暇を取得した職員が2 名おり、いずれも女性である」。W産業では「女性従業者が、2 週間取得した実績有り」との事。

 

3.年次休暇

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グラフ6
年次休暇制度の利用実績が有るか

年次休暇制度の利用実績が有るか

表5
年次休暇取得の単位別取得実績

年次休暇取得の単位別取得実績

グラフ7
年次休暇の連続取得日数

年次休暇の連続取得日数

年次休暇自体の取得実績が何らかある事業所は、全体の8 割近くに 上った が、半日での取得も、日単位での取得と同程度の頻度があり、代替要員の確保がしづらい中小企業ゆえ 、 日単位での取得のしづらさもあるのではないかと推測される。連続取得最長日数は 7 日以下が取得者の半数以上を占めているが、 40 日までという回答もあり、育児休業 或いは 介護休業の代替制度として機能している可能性もあり、 今後の調査が必要である。

 

 

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年休の取得可能最長日数は16 日~ 20 日と回答した事業所が、回答事業所全体の 4 割を占めるにも 拘わらず 、実際の取得に 当たっての 平均取得日数が 16 日~ 20 日である事業所は、回答事業所の 14 %を占めるに過ぎない。
制度上で定められた取得可能期間をフルに活用できるよう、取得率の向上や取得し 易い 環境づくりが求められよう。訪問調査では、十和田精密株式会社 花巻工場が「 10 年以上前から、一斉取得日 連続での休暇を取得する日 を6日設けている 」との回答があった 他 、総合花巻病院は「年間 で最大 20 日の取得実績あり。平均取得日数は 10 日 」、 志戸平温泉株式会社 は「 年に 1 度はリフレッシュ休暇を督励 連続 3 日 」との回答 が 得られた。

また、「 年次休暇を連続して取得する際に 、 最長日数の制限は無い 」としているH社、M社、I社や、「 年次休暇制度の平均取得日数は3日 で有るが、 1 年間で 法定の休日 も含めると 92 日は休めるようにしている。 」というО社、などの回答があった。 更に、 花巻東高等学校からは 、 「年次休暇の取得日数において 、 男女差は無い」とのコメントも得ている。


4.休職制度

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各事業所に対し、何らかの休職制度を利用した従業者の有無を問うた結果がグラフ 10 である 。この設問は有無の 2 択ではなく、自由記述形式であるため、回答欄への 文章記述があることを以て「有」とし ており 、「特に無し 」等の記述は「無」とした。 それを見るに、休職制度を利用している事業所は全体の 3 割弱 であ った。 具体
的な記載内容を見ると、 病気や怪我 等 の治療・静養のために休職した従業者がいる事業所と、制度を設けているが具体例の記載がない事業所とに大きく分けられ た 。


病気や怪我等の治療・静養のため休職した従業者がいる事業所は 12 事業所 有り 、 13 例の回答を得られた。その 内、 下記資料にも示してある 通り 、休職期間中の給与は無給で 有る ことが一般的であ り 、今回の調査でも無給としている事業所が 有った ことから、中小企業では 、 やはり休職制度を利用する 従業者 に対し 、 何らかの手当てを出すことは難しい現実が 有る ことが 伺える 。
訪問調査では、志戸平温泉株式会社が「休職は、社保から支給 ・ 給与 無し 」と回答しているほか、 花巻東 高等学校は「教員 1 名が休職」、十和田精密工業株式会社花巻工場は「休職 6 ヵ月の後、退職」、 I 商店は「有 休の申請をされた場合は理由を問わず。病休については制度としては有るが利用した人は 居ない 」との回答で 有った 。

以上から、休職制度の利用実績の有る事業所が 28 %であったことの背景には、休職制度と共に 職場復帰支援のシステムが整っているが故に 、 制度利用がし 易いという面と、他に選択肢が無く 、 休職せざるを得ない状態になっている面との両面が考えられるため、一概に良し悪しを判断できない。また、 休職制度は 男女で利用に性差が出やすい制度で 有ることからも、 次回以降、 職場復帰支援のシステムがどのように整えられているかを 、 もう少し調査する必要が有ると言えよう。

 

資料2 「休職制度」とは?

病気や怪我・家庭の事情など、長期間仕事を休む必要に迫られた場合に利用できるのが休暇制度ではなく、「休職」という制度。風邪を引いたときの病欠や有給休暇の取得と違い、例えば、不慮の事故などで長期入院が必要になってしまった時などに、年次休暇ではなく、休職制度が使われる。休職の期間やその間の給与や保険・手当の支給などは以下の通りである。① 欠勤した場合、給料が払われないが、病気や怪我等で暫く職場を休まなくてはならない時に、多くの会社は法律上の義務ではないが、「休職」という制度を独自に設け、休職が認められた期間は労働の 提供を免除し(即ち、休職期間中は労務提供不能による解雇権が会社に発生しない)、病気や怪我の回復に専念できる数カ月から数年間の猶予期間を与える事としている。
② 「休職」期間中の給与は、一部の大企業を除き、無給であることが一般的である。また、休職期間中は、雇用保険料と所得税は発生しないが、社会保険料(健康保険・厚生年金)と住民税は支払いが継続する。そのため、休職期間中も賃金が補償される場合、そこから天引きされるが、無給の場合は、就業規則の定めや会社の指示に従って、復職後の賃金で精算するか、振込等により支払うことが 行われている。なお、病気や怪我による休職期間中には、無給であれば健康保険から通常の賃金のおよそ3 分の 2 の額の「傷病手当金」が支給されるため、傷病手当金をから社会保険料や住民税を支払うことが可能。また、事業所にとって必要な人材の確保にも機能している。

 

5.休職制度以外の支援システム

休職制度以外に従業者を支援するシステムとして、福利厚生の観点から、訪問調査の際、 志戸平温泉株式会社より従業者用住宅についての情報提供が 有った 。 志戸平温泉株式会社 では、従業者のための住宅借り上げ制度が設けられている。職住近接で就労の利便性を確保することが目的であり、従業者は単身用あるいは世帯用の住宅を安価で利用することができる。 「 単身用住宅 」 は現在 3 棟 、 60 戸。性別による制限は無く利用でき、家賃は毎月 1 万円以下 多くは 8,000 円 に抑えられている。さらに、風呂・トイレ・キッチン共用型の場合は毎月 3,000円の家賃で住宅を利用できるとのこと。温泉施設の 従業者用住宅は 、市街地から少し離れた山側に 在るため 、市の中心部へのアクセスは多少時間が掛かるが、 現状の入居率は 50 。 「 世帯用 住宅 」 は 1棟 、8戸。目下4戸に入居済みで、こちらも入居率50% とのこと 。 入居している 4 世帯のうち 2 世帯は子持ち世帯であると言う。 家賃補助が有り 、実質家賃は毎月 2 万円 程 。 花巻市のアパートの家賃と比較すると安く抑えられており、家賃補助の上限も毎月 3 万 円 とのこと 。
志戸平温泉株式会社の例にも見られるように、従業者の確保のため従業者本人だけで は なく 、 家族に対しても住宅の補助等が 有る ことによって、離職者を防ぐことも 出来る と言えよう。特に、働く女性にとっては、マミー・トラックから抜け出す為にも、職場からの支援は 必要不可欠である。 地方都市においては今後より一層そういった補助・支援システムを拡充させ、地域からの人口流出に歯止めをかけられることを期待したい。

*マミー・トラック:出産を終えた女性が仕事に復帰したにも関わらず単調な業務しか与えられなかったり、育児のために「残業ができない」 ・ 「休むことが多い」 等 の理由で、出世コースとは違ったもう一つのコースに乗ってしま ったりする ことを指す言葉。
(出典:日本経済新聞 2017 年 3 月 13日)

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Ⅲ.人材育成・研修

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人材育成の為の取り組み実績について、何らかの実績が 有る と回答した事業所は全 体の 4 9 %であった。 半数近くの事業所で人材確保のための育成を 行っている ことが 分かった 。 更に 、具体的にどのような取り組みを 行っているか について、面談制度・ヒアリング・研修制度の 3 つの選択肢を用意し、それぞれについての有無を問うたところ 、グラフ 12 の結果となった。

「人材育成」のための具体的な取り組みを見ると、 8 割近くの事業所に研修制度が 有ることが分か った 。研修制度のテーマや内容については、以下に詳細を記載しているが、 「 新人研修 」 だけでなく 、 必要に応じて 「 スキルアップ研修 」 を受けさせる事業所が多いことから、人材確保のためのバックアップ体制が整っていると見られる。また、 「 ヒアリング 」 や 「 面談制度 」 の利用実績も低くはない。事業所内に 於いて 、 定期的にヒアリングや面談を行うことが 、 離職率の低下に繋がっている と思われる 。

人材育成のため に 、 どのような取り組みがなされているかについて、 訪問調査では、 十和田精密工業株式会社花巻工場 が「 スキルマップを 5 段階で作成し、 3 月と 9 月に見直し を実施。 勤務態度も同様 、 男女の差はなく、責任のある立場にも女性が就任 」と回答した 他 、 M 商会 「 外部委託研修 リーダーの育成@中小企業大学校 を男女の区別無く受講させている 。女性の管理監督者 2 名 雑貨店長、本社の経理部長 、男性の管理監督者 2 名 」、W 産業 「 県南振興局 ・ ポリテクセンターでの研修 (テーマ:生産効率化 を行っている。男女比率については、管理職・ 役職は全て男性。主任クラスは5~6人 、女性が多い 」 と回答した。

I商店 は「 女性は全員事務職 。 外部研修と職制研修がある。花巻商工会議所 の 各種セミナー・岩手経済同友会における研修、 みずほ総合研究所 ・ 管理職育成プログラム 等を受講させている」とのことだった。また、 株式会社 O は 「役員は男性だが 、 ポスト職は 大体女性。SNS ソーシャル・ネットワーキングシステム 研修は使い方について 、 指導等を 行う」 。 K 苑 は「 経験年数と必要性に応じて正規 ・ 非正規関係 無く 、男女関係 無く、 研修を受けさせる。外部研修に 11 月に一人出している。 1 回 10,000 円を研修費として補助 が 有る」 と回答。

実施事業の取り組み事例を調査した結果 、人材育成を 以って 事業の発展を期すとの姿勢が伺われる。新任職員については、 OJT 研修の実施をしている他、職制に応じた研修等については 、 他団体主催研修に参加させているとの記述も見られる。研修参加は、職場に欠を生じるが 、研修実施意欲と参加意欲は高く感じられる 他 、新人研修 ・ 技術研修 ・ 幹部研修等を Off JT で、安全研修・資格研修 一部 は OJT で行っていることが見て取れた。外部機関による現場での職長 教育・作業主任者等の取得研修も取り組んでいる。

「ヒ ア リングや研修の対応での男女差の有無はないのか 」 の観点で見ると、 ① 職種により、計画的にスキルアップ研修に取り組ませている。また、 ② 研修内容で見ると、管理監督者研修のほか、産業短期大学校(各種技術研修) や 中小企 業大学校(中間管理職及び幹部研修)への派遣研修に取り組まれている ことが分かった。 ③ その他、新卒入社 又は 必要と認められた者は、職業訓練校 (2 年課程 )を受講 させるなど、 花巻の事業所の持つ労働生産性の高さが伺えた。

 

Ⅳ.定年延長

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グラフ13は、定年延長制度を利用した従業者が居るか否かについて、問うた結果である。93社のうち70 社(75%)が「有る」と回答した。更に、その70社の事業所に対し、具体的にどのような制度の利用実績が有るかを、更に3つの選択肢を以て質問したところ、グラフ14 の結果となった。
3つの選択肢の定義は、以下の通りである。①定年年齢の上限とは「各事業所の定年年齢に上限が有るか否か」、②勤務延長とは「定年年齢に達しても契約内容を変更せずに『勤務延長制度』を利用した従業者が居るか否か」、③再雇用とは、「定年年齢に達した従業者の内、再雇用契約を結んだ従業者が居るか否か」とし、各制度の利用実績が有る場合には、複数回答可とした。
「具体的に利用された制度」を見ると、多くの事業所で定年年齢の上限があるものの、再雇用制度も多く利用されている。
勤務延長制度の利用実績があまり芳しくないことは、制度自体の周知がなされていないことが理由の一つかもしれない。
定年年齢を定めている企業の場合には、勤務延長制度を導入していても、定年年齢を迎えた段階で、退職に関する検討は行われる。勤務延長に至るには、本人の希望と労使協定で定められている定年基準に適合していることが必要となるが、制度自体の複雑さもあるのか、いずれにせよ、勤務延長制度の利用実績については、まだ追究の余地は有るだろう。

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定年年齢は、 60 歳を規定している 事業所は、 4 割弱である。定年年齢の次のピークが 65 歳である。また、定年に達した従業者の勤務延長年齢を調査したところ、定年に 5 年加筆した 65 歳と 70 歳が 28 %、 34 %と二つの山を形成している。
事業所の定年を年齢別にまとめたものが表 6 である。質問紙からの回答も併せて見ると、定年年齢 の上限 は 60歳 (39 社 と 65 歳 (19 社 に大きな山ができており、最高年齢は 70 歳 (2 社 である。 この表から、再雇用 (57 社の方が勤務延長 (32 社 よりも圧倒的に多いことが 分かる 。おそらく、雇用契約内容を変更し、再度雇用される場合が多いと思われるが、しかし、再雇用に限っては、関連企業の取締役や会長に就任する等、例外的に待遇が改善される場合もあるため、再雇用制度を利用した場合のその後の待遇については 、 もう少し調査する必要があった。

また、聴き取り調査では、十和田精密工業株式会社花巻工場が「 従業者 の平均年齢は 40 歳前後 で、 再雇用に は 性差なし。1年更新」と回答した一方で、花巻東高等学校は「現在3名を再雇用しているが、いずれも男性である」、 I 商店は「 再雇用は男性。本人の希望を受けて 65 歳まで雇用期間を延ばしている。 殆ど が系列会社に行く。定年の年齢は 60 歳で男女差なし 」 。 株式会社 O は 、 「 以前 、 再雇用で 65 歳まで働いた男性 従業者 がいた。現在は 殆どが 女性なので 、 定年退職してしまう」と回答している。
志戸平温泉株式会社は「 定年延長なし。制度外実施で、再雇用で 6 人がパートとして働いている」とのこと。

聴き取り調査を 行ってみると 、定年年齢の上限に男女差は無いが、定年後のワーク・ライフ・バランスについて 、多少性差が 見られる 結果となった。男性の方が女性よりも再雇用制度や勤務延長制度を利用しやすい環境に 有ると言える 。
しかし、人生100 年時代とも言われている昨今、年金の支給開始年齢が 、 これから後ろ倒しになる中で、女性の勤務期間が短くなることは、高齢女性の貧困を作り出すことにつながる のではと危惧される 。再雇用制度や勤務延長制度が設けられているにも 拘わらず 、女性の利用実績が多くない背景には何があるの だろう か 家族介護など、家庭役割が影響していると見るのであろうか、 もう少し調査する必要が 有るだろう。

 

2019_4_2_3

 

Ⅴ.事業所の声 国や県に何を求めていますか?

【休暇制度

寺林板金株式会社
・ 仕事を休んでも給料が 貰える 様に、国や県から会社に助成金が 有れば 少しは良いのではないかと思います。
・ 人手不足の中 、 5人の中から1人が休むというのは 、中々 無理があると思います。一人ひとりの給料を安くして1人増やすとか 、 悪循環になってしまいそうです。

株式会社TERUI
・ 当業界はまだまだ経営基盤の安定していない業種であり、休暇制度 ・ 福利厚生も働き方改革に 移行 出来る様にしたい所存ではあるが、非常に厳しい経営状況となると思っている。また働き方改革(ワークライフバランス)が必要な事も良く 分かっている が、小規模会社には猶予期限を設けるとか、補助金を出すなど考えて欲しい。

芽吹き屋
・ 子育てや介護等により従業者を休ませることによって生産性が落ちる。生産性が落ちる=売上が下がることに対しての補填的助成が必要。休ませてあげるためには、会社が受ける打撃が大きい。助成金制度を利用したいが、就業規則の改定には時間も手間もかかる。

A所
・ 働き方改革をやめること。空いた穴を埋める人材を無料で貸し出してくれること 。

K工業
・ 助成や制度も必要だが、「休む」事を受け入れる事のできない経営者側の改革が先かもしれないと思う。

O社
・ 誰もが、子育 て ・ 介護を経験するでしょうから、安心して生活が出来るよう望みます。ただ 1 人が休暇を取
る事で現実 従業者 が足りなくなるので困る。人手不足です。

M社
・ 8 時間労働がノーマルだと思うが、 6 時間労働が主流になる日は来るかなあ? そうすると共働きでも何とかなる??? 現状、親が 3 4 人 居ないと 働き続けるのは不可能なんじゃないかと…。

F社
・ 当社は、代表が一人で業務を行っている会社ですので、雇用している方はおりません。

社名記載
・無し
・ 本人が必要であれば申し述べてもらえば可。

【育児休業・介護休業】

志戸平温泉株式会社
・ 男性に育休を 勧めても 、 中々取ってくれない 。我が社はホテル業なので、子の休みと一緒に休むことが 中々出来ない 。土 ・ 日 ・ 祝日もやっている認可保育園・学童保育所があると働き易いと思う。また、土 ・ 日 ・ 祝日に休んだ社員の補充をできるよう、会社として取り組みが必要だが、国で 出来ることが有ったら 助成してほしい。

株式会社東和プラム
・ 育児・介護 の 取得者の会社への助成金

E社
・ 制度として、「育児休業」 ・ 「介護休業」は整えている。中小企業では 従業者 一人一人に業務を担って 貰っており、休業した際の代務者等の準備・養成は難しい面がある。休業期間中の人材派遣・人件費補助があれば活用できる可能性がある。

M社
・ 子育て・介護の為の休暇を望まない場合でも働き続けられる社会が必要かと…。現状、家族以外の選択肢・受け皿が少なすぎる(特に花巻特に花巻)

K苑苑
・ 対人福祉サービス事業所であることから、生活支援員協力のもと休暇が取得できるよう、事業所全体として対応しております。(パート、非正規職員対等に)

社名記載・無し・無し
・ 子育てしながら、介護しながら、仕事を続けられるように熱や少々の体調不良(回復期)の子供を預かる施設や面倒な手続きの不要なショートステイを増やしてほしいです。
・ 育児休業制度、分りづらい。申請が面倒。

【人材育成・確保】

F社
・ 人材確保

社名記載無し
・ 助成よりも何よりも少人数(全部で 4 人)で事務員が 1 人の場合は絶対仕事を 辞めざるを得ない です。
・ まずは人手不足なので、人材を確保しないと休暇を 支給 することが困難。
・ 人手不足なので 、 代理で出来る方が欲しい。

【財政支援】

志戸平温泉株式会社
・ 休暇中の収入 ・ 育休手当のようなもの ・ 休暇中の社員の交替要員


株式会社伊藤組
・ 休んでいる社員の業務のため 、 パートを採用した時の給与助成

株式会社TERUI
・ 休暇等の給与の補填。

伊勢勘商店パン窯ドン・ポスコ
・ まず仕事(売上)が必要です。収益力が向上しないと人を雇うことは不可能です。ピザやパンを売る機会(イベントや役所・学校での販売)を 下されば 幸いです。
・ 国や県は農林漁業者への支援は手厚いが 、 商工業への支援は非常に少ない。もっと商工業への特に弱小な商店への支援をお願いしたい。このままだと日本から「商店」は無くなります! スーパーとコンビニだけが残るでしょう。
・ 現在、当社では花巻市(大迫町)特産の「早池峰ラズベリー」のジャム製品やジャムを使ったパンの新商品を開発中です。(一部販売試行)何か支援していただければ有難いです( 6 次産業化)。

芽吹き屋
・ 女性の活躍を推進する動きが目立っているが、仕事も家事も両立している女性に対して、もっと負担を軽くするような対策が 例えば、社会保険率を下げる、減らす、両立 手当を出すなど あれば良いと思います。

Y社
・ 休みの期間中の手当てを助成してほしい休みの期間中の手当てを助成してほしい。。

K苑
・ 小規模社会福祉法人であり、財政事情も苦しいことから、関係機関等に対しては、必要に応じて要望しております。
S社
・ 金銭的助成

社名記載・無し
・ 子育ての育児休業や病児の看護休暇に対して助成して貰えれば、従業者の収入が減らなくて済むので助かります。
・ 育休や定年延長ということも大事だと思いますが、給料の支払いが滞る会社が数多くあるということを、もっと多くの人に知ってほしいです!! 支払いが未払いの分も無かった事にされています。
・ 休暇を与えた事により、少なからず会社の損失は必ず有るのに、従業者の保障ばかりが充実して行き、手当を国はすぐに与えたがる。結局、その手当は、会社が負担している。だから、最近の従業者は、働く意欲はおろそかなのに権利の主張ばかり。会社にも、その分の助成なり、負担を減らさないのはゼッタイにおかしい。国は、企業をいじめてると考えてます。

・ 働く人の税金負担が多すぎる。もっと税の軽減を! 過剰福祉とは言わないが、施設にもっとメスを入れては! 限り有る予算で、皆が平等で・共生できる社会を。資本主義の行き詰まりを感じる。

・ 補助金の変わりの人材
・ お金の無い、中小企業が多いと思います。少しの利益が出ても、それ以上が、税金等で持って行かれてしまっていて、経営は、苦しい、儘です。真面目にやっている中小企業へ、もっと、負担を軽くする措置が有っても良いと思います。後、売掛金を払って貰えず、経営が苦しくなっている部分も有ります。国や県で、何か動いていて貰えたら、大分助かります。

【その他】

株式会社東和プラム
・ 人材の確保
・ なぜ、このように保育園やら介護施設の不足が話題になるか? 一番の原因は核家族になり、子育てや介護が家族で賄えなくなったからです。というのも年金支給がどんどん引き上げられ、 60 ~65~ 70 歳迄も働かなければならないからです。年金原資を無駄に使い不必要な建物を作ったり、収支の不明な管理をしているからです。年金制度はもはや当てにならないところ迄きています。国で一日も早く考え、法律を切り替え、現実に有った政策に 取り掛かって 下さい。若者たちに 、未来有る日本を残してください。助成金のように一過性のものでは役に立たないと思います。
・ 過剰な働き方改革は、働く意欲を失わせ要求だけが増える。人間の夢と欲求と社会の共生を考えた政策を!働くことに余りブレーキをかけないように。